白内障手術と緑内障
緑内障があっても白内障の手術を受けることができるのかと、聞かれることがあります。 基本的に、白内障手術を受けることができるかどうか、という決定に緑内障の有無は関係ありません。 ただ、緑内障の治療薬の中で、白内障の術後には使用が禁忌となっている薬にエイベリスという比較的新しい点眼薬
緑内障点眼薬配合薬の利点
緑内障は超慢性疾患のため、点眼薬治療はとても大きな役目を果たしています。 白内障や網膜疾患 特に網膜剥離や黄斑前膜 増殖性糖尿病性網膜症などの原因のはっきりした疾患に対しては、外科的治療が主たる選択であることとは、大きな違いがあります。 緑内障手術も、最近の進歩は目覚ましいものの
緑内障患者さんはなぜ視野欠損に気付きにくいのか?
緑内障の症状で一番気になるのは、視力というより視野欠損の進行具合ですが、患者さん自身はかなり進むまで自覚しにくいことが多いです。 視野が欠ける病気は緑内障ばかりではなく、網膜剥離や脳疾患でも起きます。 これらの病気は急速に起きることから気付きやすいわけですが、緑内障は超慢性疾患の
世界緑内障週間 2021
2008年より毎年3月上旬の一週間を世界緑内障週間として、世界各国の実情に合わせて様々な啓蒙活動が行われてきました。 日本ももちろん参加しており、その時期に合わせて誰でも参加できる講演会や眼科検診などが行われてきましたが、2015年からはライトアップ in グリーン運動を日本眼科
緑内障早期発見に有用-ネットで自分でできる簡易検査
長らく緑内障で通院されていた患者さんが、転勤で遠方に行かれることになりました。 御家族が伊丹に残られるので、帰るたびに来院されることも考えておられましたが、例えば年末年始のご自分の休暇と、当院の休暇は大体一致してしまいます。 現状、一本の点眼だけで視野も眼圧もとても良いコントロー
超高齢社会の緑内障
緑内障は、超慢性疾患であることを考えますと、年齢が上がるにつれ有病率が上がることも、当たり前のことです。 一般的に緑内障の安定期の治療は、眼圧を確認し、視野検査や眼底検査を定期的に繰り返し、悪化していないかをチェックしたうえで、点眼薬を変更したり、レーザー治療や手術の適応を検討す
緑内障の点眼治療の継続には根気が必要
昨日ニュースで、心筋梗塞の患者さんがこのコロナ感染症拡大の影響で、通院を中断するケースが増加し、発作後の緊急搬送が増加していると報じていました。 インタビューを受けている患者さんのお話では、定期通院の場合、以前は気にならなかった周りの患者さんの咳などが気になって、うつされるのが怖
緑内障啓発のレビュー
最近は、WEB学会に追われ(申し込みすぎ)、ノルマをこなすのにかえって忙しい毎日でしたが、先日MRさんがかなり包括的な緑内障に関するレビューを紙媒体で持ってきてくれたので、なんだかフレッシュな気分で隅々まで読みました。 緑内障啓発活動については、このブログでも何回か取り上げていま
緑内障治療薬アップデート2020
福井大学眼科学教室教授の稲谷 大先生の勉強会に参加してきました。 緑内障薬はどんどん新しい薬がでてきています。 2種類の薬が一つの器に収まっている配合点眼薬も増えましたし、作用機序の全く異なる点眼薬も出てきています。 手術も侵襲の少ない方法や器具がでてきているものの、やはりいきな
緑内障について〜Part 4
さて今回は緑内障の手術について少し具体的にお話をしようと思います。前回書きました通り、緑内障の手術は眼圧を下げるために行いますが、そのやり方(術式)には色々あります。そもそも眼圧は「房水」という目を栄養する水の流れが悪くなることによって数値が上がるため、この房水の流れを手術で改善