
医薬品の製造は、主に薬品を化学反応させてつくられていますが、バイオ医薬品というのは、微生物等の生物の力を利用して作られていて、蛋白質を主な有効成分とする薬です。
医薬品は、分子サイズが小さく、同じ手順で作ると同じ薬品を作ることができますが、バイオ医薬品は、分子サイズが大きく、構造が複雑なため、製造業者が異なると、その工程の違いの影響を受けやすく、完全に同一品を製造することが困難だそうです。
そのため、バイオ医薬品の特許が切れた製品を後続バイオ医薬品(バイオシミラー)と呼びますが、先行バイオ医薬品と同等の利き目や安全性であることを証明することを厳しく求められます。
いわゆるジェネリックとは比べ物にならないほど、多くの試験(品質試験 薬理試験 毒性試験 臨床試験)が必要とされ、それは新薬に対しての試験に準じる と厚労省の説明で述べられていました。
最近お役所への信頼もかなり失墜してますから、本当?と疑い出すときりがないので、一応信じることにします。
ジェネリックもバイオシミラーも先行医薬品の特許が切れたことにより、新規開発費も不要である分、先行医薬品より割安に提供されます。
バイオ医薬品の場合は、大体先行医薬品の70%の価格だそうです。
厚労省は、国民皆保険制度を維持するためにも、年々増加する国民医療費の低減につながり、バイオシミラーの選択に注目している とのことです。つまり推奨するということですね。
もともとバイオ医薬品そのものが高価ですから、少しでも安いことは患者さんにとってもメリットです。
ただし効果が見劣りする場合は、かえってデメリットとなるのですが、眼科領域で使用する医薬品の場合、効果の違いが比較的はっきりわかりやすいため、結果によって医薬品を変更することも可能です。
眼科領域で使えるバイオシミラーは今のところ、ルセンティスのバイオシミラーであるラニビズマブのみで、アイリーアのバイオシミラーであるアフリベルセプトは、約1年前に厚労省は、薬事審議会で、製造販売承認を了承した となっていますが、今のところまだ販売は開始されていません。
先行バイオ医薬品とバイオシミラーの効果の違いを問うよりは、先行バイオ医薬品どうしの効果の違いを問題にするべきかもしれません。
眼科領域でバイオ医薬品が使われる病気は、眼底出血に伴う黄斑浮腫 糖尿病黄斑浮腫 加齢黄斑変性 病的近視に伴う脈絡膜新生血管です。