黄斑上膜
黄斑上膜(黄斑前膜)という病名は、診断名としては古くからあり、以前はセロファン黄斑症とか偽黄斑円孔と呼ばれることもありました。 OCT検査(眼底三次元画像解析)という検査機器がかなり普及してきて、網膜の断面を観察することができるようになったことも、関係していると思います。 OCT
後部硝子体剝離の実体験
今年の夏休みも終わろうとしていたころ、洗濯たたみをしていて、突然目の中に大きな輪っか状の浮遊物 つまり飛蚊症の大きなものが出現しました。 大したことは無かったのですが、耳側に光るようなものも感じられます。 中ぐらいの近視ですから、飛蚊症は10代からおなじみですが、今回は結構大きい
いつもと違う飛蚊症-後部硝子体剝離
後部硝子体剝離というのはあまり聞きなれない病名かもしれませんが、有名な網膜剝離と勘違いする方が多いため、外来では直接的にこの病名を伝えることは少ないです。 また後部硝子体剝離が原因で網膜剥離につながることもあるため、あながち無関係でもありません。 ただ後部硝子体剝離は正式にはその
プラケニルの眼副作用について
一年に何回かプラケニル(ヒドロキシクロロキン硫酸塩製剤)の眼科合併症のスクリーニング依頼が近隣の病院の免疫内科から来ます。 最近その依頼がありましたので、この薬について考えてみたいと思います。 このプラケニル錠は、世界中でSLE(全身性エリテマトーデス)或いは皮膚のみの皮膚エリテ
チョコレート摂取は眼血流量を増やす?
フラボノイドが健康に良いという話は、だいぶ前からよく話題になっています。 野菜や果物などの植物に含まれる色素成分のことですが、抗酸化作用が強いので、血管がもろくなる糖尿病や高血圧への予防効果や、認知症予防 抗ガン作用など、高齢化に伴って起きる諸々の悪条件を是正することが、ある程度
抗VEGF薬硝子体注射について〜Part 2
さて今回は前回に続きまして抗VEGF薬硝子体注射について何点か注意点をお話します。まず注射については病状にもよりますが、通常は複数回の注射が必要です。例えば加齢黄斑変性においては導入治療として一般的には毎月1回ずつ、3回の注射を行います。この3回だけで病気の勢いが完全におさまれば
抗VEGF薬硝子体注射について〜Part 1
さて今回は題名にあります「抗VEGF薬硝子体注射」のお話です。抗VEGF薬という薬はおそらく一般の方はあまり聞きなじみのない名前ではないかと思います。ですが眼科医にとっては今までなかなか治療困難であった病気に対して、この抗VEGF薬が治療薬に使用される頻度が増加しています。もとも
糖尿病治療後網膜症
一般に 内科的な糖尿病治療 つまり血糖コントロールは、HbA1cが低いほど良いコントロールであり、合併症も発症しにくことは、広く知られています。 が、急激な治療によってHbA1cが低下することにより、かえって網膜症が悪化する患者さんが一定の割合でいることも知っておいてほしいと思い
網膜静脈閉塞症について〜Part 3
今回は前回からの続きで網膜静脈閉塞症の治療についてです。この病気はそもそも網膜の循環障害によって少なからず網膜が傷んでしまい、その傷んだ細胞は残念ながら完全に再生して治ることはありません。そして特に見え方に悪影響を及ぼすものに「浮腫」があります。視力に直結する黄斑によく起こります
メール相談について
先日 メール相談の仕方の相談を受けました。 日帰り硝子体手術についての相談をしたいのだけれど、直接見も知らぬ先生にメールなどしてもよいものでしょうかということです。 ずいぶん奥ゆかしい方だと思います。 わざわざ私に問い合わせいただいたのですが、直接メールをしていただいて構いません