今年の夏休みも終わろうとしていたころ、洗濯たたみをしていて、突然目の中に大きな輪っか状の浮遊物 つまり飛蚊症の大きなものが出現しました。
大したことは無かったのですが、耳側に光るようなものも感じられます。
中ぐらいの近視ですから、飛蚊症は10代からおなじみですが、今回は結構大きいので、意識に上ります。しかも耳下側の定位置にいます。
これが、後部硝子体剝離だなと納得しました。
患者さんも同じような症状で、驚いてやってこられることがありますが、その気持ちわかります。
本当に突然起きるので、何か悪いことが突発したように感じる というか本当に突発しているのですから。
一般的な飛蚊症は、網膜の前にある硝子体という、ゼリー状のものがつまっている場所に、濁りが出て起こる症状です。
もともと硝子体は無色透明の細かな線維からできていて、年齢とともに濁りがでてきます。
ただ水晶体が濁ると白内障となって視力を下げますが、硝子体の濁りは、出血やブドウ膜炎のまとまった白濁でなければ、生理的な飛蚊症程度では、視力に影響しません。
後部硝子体剝離の場合、ある日突然はっきりと先程書いたように、大きな浮遊物が出現するので、自覚できます。
硝子体膜が、網膜との緩いつながりが外れ、前方に移動、収縮するために、後ろにある網膜と分離するという現象で、一口でいうと老化現象です。
その際に網膜との癒着が強いと、硝子体膜に引っ張られて、網膜側に穴が開くことがあり、網膜裂孔という状態になります。その裂孔に液化した硝子体が入り込むと網膜剥離になります。
ですから、こういった現象が起こった場合、網膜裂孔や網膜剥離が生じていないか、生理的後部硝子体剥離なので、そのままにしておいてよいのかを精査する必要があります。
因みに、私の大きな飛蚊症は、そのままそこにありますが、眼科の診察中は暗室なのでほとんど気になりませんし、今で約1か月ほどになりますが、存在自体もあまり気にならなくなってきたことは確かです。