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糖尿病治療後網膜症

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2018/10/11担当:山本 洋子
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一般に 内科的な糖尿病治療 つまり血糖コントロールは、HbA1cが低いほど良いコントロールであり、合併症も発症しにくことは、広く知られています。

 

が、急激な治療によってHbA1cが低下することにより、かえって網膜症が悪化する患者さんが一定の割合でいることも知っておいてほしいと思います。

 

つい最近もこの6か月ほどの間に、網膜症が全くなかった眼底に、点状出血、斑状出血がでてきており、軽度の軟性白斑も見え始めており、明らかに網膜症が悪化してきている患者さんがおられます。

 

もう少し軟性白斑が増えてきたら、レーザー治療も考慮に入れる必要があります。

 

どちらかというと若い患者さんに多いですが、急激なHbA1cの低下が網膜症を悪化させることは、眼科医にとっては有名な事実です。

 

1. 血糖コントロールが不良(HbA1c 9%以上)

 

2.血糖コントロール不良期間が長い(3年以上)

 

3. 糖尿病罹病期間が長い(10年以上)

 

4. 内科的治療としてインシュリン治療を要する

 

5. 前増殖性網膜症 または増殖性網膜症を有する

 

6. 単純性網膜症だが、網膜症の活動性が高い。

 

これらの2つ以上に該当する場合は、短期間(6か月)の間にHbA1c3%以上

つまり0.5%/月を限度に血糖コントロールすることが望ましいといわれています。

 

内科的な糖尿病治療は、もちろん内科の先生の領分ですので眼科でコントロールできることではありませんが、内科で糖尿病治療を開始する前には、ぜひ眼科を受診してもらいたいと思います。

 

今回の方は、高血糖でありながら、初診時は網膜症はなかったのですから、治療が順調に進んでいても、あるいは進んでいるからこそ数か月後にもう一度確認することは必要と改めて思いました。