黄斑上膜(黄斑前膜)という病名は、診断名としては古くからあり、以前はセロファン黄斑症とか偽黄斑円孔と呼ばれることもありました。
OCT検査(眼底三次元画像解析)という検査機器がかなり普及してきて、網膜の断面を観察することができるようになったことも、関係していると思います。
OCT検査をすることにより、緑内障 眼底出血による黄斑部のむくみ具合 中心性網膜症の発症初期の状態 糖尿病黄斑症の進行度 そして今回話題の黄斑上膜ももちろん、短時間に、またより正確に診断でき、治療方針がたてられます。
もちろん万能ではありませんし、機械の癖もありうのみにできませんが、黄斑上膜は確実にこの検査によって診断が増えた疾患です。
初期の場合は、自覚症状はありませんが、特徴的な症状として、片目で見た時にゆがんで見える 物の大きさが大きく見える といった不快感が徐々に出てきます。
50~70代に発症する黄斑上膜は、ほとんどが特発性つまり老化現象によるもので、稀に眼内の手術やレーザー後やブドウ膜炎後に発症する続発性の場合もあります。
視力の低下もわずかで自覚症状がない場合は、特に点眼などの薬剤治療は必要なく、進行もゆっくりですので、時々眼底検査やOCT検査をして経過観察を続けます。
残念ながら自然に無くなるということは稀ですが、たまにすっかり良くなったという場合もあります。
自覚症状が進行してきた場合、硝子体手術が必要となり、年齢にもよりますが、その際白内障手術も同時に行うことが多いです。
当院の木曜日担当の鄭先生は、硝子体手術のプロフェッショナルとして、日帰り手術の適応があるかどうかの診断も含め、的確な診察そして手術をして下さいます。
午前が外来 午後が手術 というタイトなスケジュールですし、外来は混雑していますが、ご希望があれば電話予約をしてご来院ください。