フラボノイドが健康に良いという話は、だいぶ前からよく話題になっています。
野菜や果物などの植物に含まれる色素成分のことですが、抗酸化作用が強いので、血管がもろくなる糖尿病や高血圧への予防効果や、認知症予防 抗ガン作用など、高齢化に伴って起きる諸々の悪条件を是正することが、ある程度確認されているので、サプリとしても発売されています。
フラボノイドには、色々な種類があり、ブドウの果皮に含まれるフラボノールは有名ですし、大豆のイソフラボン 緑茶のカテキン ミカンやオレンジなどの柑橘類のフラバノン。
まだまだいっぱいありますが、フラボノールはフレンチパラドックスとして有名になった赤ワインにも多く含まれるということで、ワイン好きの人は何となく健康に良いと太鼓判を押してもらったと錯覚?の原因にもなっています。
こういった栄養話は、サプリの発売となると、色々利権が絡んでくることが想像されますから、あまり真に受けるのはどうかと思いますが、チョコレート好きとしては、ちょっと興味をもって読んでしまいました。
チョコレートの原材料となるカカオにもフラバノールというフラボノイドの一種が含まれていますが、これが眼血流量にも好影響を及ぼすかを検証した論文がJAMA Ophthal に掲載されました。(2019)
2017年に、フラバノールの含有量が違う2種類のチョコ(つまりミルクチョコとダークチョコ)を平均年齢26歳の30人に食べてもらい、約2時間後に視力 コントラスト感度を測ったら、ダークチョコ群の方が、僅かによくなっていて、いわゆるフラボノイド効果が期待されるという研究結果が報告されました。
しかしイギリスのNHS(National Health Service)が、このような少数のデータで、視力に有意差があるというデータをだしているものの、その差が僅差であること 研究の資金源が明らかでないこと 利益相反が明示されていないことなどを理由に、ダークチョコに視力改善効果があるという明確な証拠はない と結論付けました。
そこで、OCTAという血流量を測定できる検査を追加して、実際に黄斑部の血流量が増加しているかどうかを、別の研究者が同様のテストをしてみたところ、ダークチョコ群とミルクチョコ群の間に、視力 コントラスト感度 黄斑部の血流量ともに、有意差はなかったという結論になりました。
つまり、追試験と最初の試験では結論が一致しなかったわけです。
そもそもフラボノイドは水溶性で、体内に留まる時間は短いのですから、サプリで摂取できる量というのは、一体どれ位なのでしょう。
ワイン好きならワイン、チョコや緑茶が好きならそういったものを、適量楽しめば、健康にもいいことがあるよ ということだと私は解釈しました。