コヘレトの言葉というのは、旧約聖書の中の15ページほどしかない、ちょっとした格言集のようなものです。
似たような格言集の、知恵の書やシラ書 箴言も読みごたえがありますし、短編としての楽しみが味わえる、ルツ記やトビト記なんていうのもあります。
中高時代はプロテスタントの学校だったので、新約聖書以外記憶にありませんが、純粋な読み物として読みごたえがあるのは、むしろ旧約聖書の方かもしれません。
コヘレトの書は、無名の人が書き記したということですが、アンニュイな言葉で埋め尽くされています。
『コヘレトは言う。何という空しさ。
何という空しさ、すべては空しい。』
という言葉から始まるのですが、内容はご興味がある方は読んでみて頂きたいのですが、世の中のあらゆることは、そして、ある人にとっては、とても大事に思うことであっても、全ては最終的には、手放して、この世を去っていくことを思うと、自分が所有するものに固執することには意味がないのではないか。
泡のように消えるものではなく、不変のもの、固い礎となるものは何だろうか?ということを考えたい時に役立つ気がします。
『この空しい人生の日々に
私はすべてを見極めた。
善人がその善のゆえに滅びることもあり
悪人がその悪のゆえに長らえることもある。
善人すぎるな、賢すぎるな
どうして滅びてよかろう。
悪事を過ごすな、愚かすぎるな
どうして時も来ないのに死んでよかろう。』
『神に与えられた短い人生の日々に、飲み食いし、
太陽の下で労苦した結果のすべてに満足することこそ、幸福でよいことだ。
それが人の受けるべき分だ。
自らの分をわきまえ、その労苦の結果を楽しむように定められている。
彼はその人生の日々をあまり思い返すこともない。
神がその心に喜びを与えられるのだから。』
本当に生きるに値する喜びの人生を送りたいですね。