これは、毎日外来で患者さんを診ている眼科医は、実感していることです。
ただし、矯正視力はほとんどの場合、20代の頃と変わらず遜色ないことがほとんどです。
患者さんに聞かれれば、少し黄ばみが出てきたとか、人によって白髪が早く始まるように、少し濁りが出てくる部分があるといった話はします。
最初の黄ばみというのは、核白内障とも呼ばれ、ゆっくり黄ばみが強くなるので、視力の低下は緩慢です。本当に黄色ですし、時にこげ茶や黒と言いたいほどになっている場合もあります。
黄色いフィルターを通してみているので、黄ばんで見えるかというと、実は患者さん自身段々順応していく成果、特に不都合を感じていないように思います。
白い濁りが出るタイプは、皮質白内障と呼ばれますが、透明のところと、白濁している部分が混在するので、濁りのない部分ではクリアーに見えますからこちらも意外と視力を測ってみると悪くないことも多いです。
ただ濁っている部分と、透明な部分の境界で、光が乱反射するため視力が悪いというより、まぶしさ ハレーションが気持ち悪いといった表現になります。
皮質白内障の方が、核白内障に比べてまぶしさやかすみの症状が強いので、早めに気になることが多いようです。
長寿が許される現代。
人生のどこかで、白内障手術が必要になることは、もう予定の出来事として、粛々と受け入れざるを得ないようです。