
メディカルトリビューン社という総合医療情報新聞ともいうべき小新聞が、おそらくどの医療機関にも、勝手にというと失礼ですが、いつからか送られてきます。
徒然なるままに読んでください というスタンスだと思うのですが、けっこう面白いことが載っています。
今回はその中の記事のご紹介です。
根も葉もある記事であることの証明に、統計処理の説明もありますが、そのあたりはちょっと省略しまして、調理技術が健康に及ぼす影響 という内容で、見出しはズバリ、料理ができない高齢者は死亡リスク高い となっていました。
食事は①外食 ②総菜やレトルト食品などの加工食品の摂取 ③家庭調理による生鮮食品の摂取
と分類されるが、世界的に加工食品の摂取が増加し、生鮮食品の摂取が減少している。
調理技術が高いと家庭での調理頻度が高く、加工食品の摂取が少ないという研究結果がある。
そこで東京科学大学大学院の講師が、調理技術を6段階に評価し、独居 同居における調理技術別の死亡リスクを調べた。
結論的には、調理技術が高度であれば、同居も独居も死亡率は変わらないが、調理技術が低い場合は、独居になると同居の2.5倍死亡率が高くなる。
その要因として、調理技術が高い人は、調理頻度 立位時間 買い物などによる外出頻度が高いこと が挙げられるとなっていました。
加齢とともに、独居者が増えることを考えると、高齢者の調理技術の向上を支援する取り組みが重要 というのが結論でした。
もちろんそれは正論ですが、高齢になって億劫になることで、調理が得意であっても、加工食品が増えるのは自然な流れのようにも思います。
高齢者に調理技術を学ばせるというのは、なんだか失礼なようにも思われ、むしろ食品を買いに行く楽しみや、自分の食べられる硬さや大きさに自身でカットすることが大した労力ではないことを知ってもらう という調理といった大上段に構えるほどのことでなくても、十分なのではないか と考えてしまいました。
でもともかく、何か家事を覚えるなら、実利のある食べ物関係がいいという点では、同感です。