
最近患者さんとお話していて、せっかく白内障手術をして視力もよくなったのに、メガネをかける気が無い という人が意外と多いなと感じています。
近視ではありますから、メガネをかけるとよく見えることをお話ししても、この視力が、自分の生活に合っているから大丈夫 といわれます。
あまり 見たい物もないですか? とこの頃は私が先回りしてお答えしてしまうこともあります。
そうです と元気にむしろニコニコ お話される方が多いので、私もそういえばそうかも と納得します。
われわれ眼科医は、もちろん視力がいいに違いない と考えてきましたが、人生の先輩の患者さんは、そうでもないよということを教えてくれます。
視力が衰える悲しさや、怖さに注目し、またそのために医学も発展してきたわけですが、ある程度見えたら十分 という まさに足るを知る という生き方もあるのでしょう。
最近のニュースでも、関税問題やインフレ対策 など私達庶民にとってはあまりに壮大な話で、かえって興味がわかないのですが、毎日食べることができて、着るものもある 雨露をしのげる住まいもあれば、もう充分と思えれば、必要以上に心配することもない。
というわけで、聖書の一節を思い出しました。
わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。
見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。
今週末はご復活祭(イースター)です。
もう春本番ですね。