2008年より毎年3月上旬の一週間を世界緑内障週間として、世界各国の実情に合わせて様々な啓蒙活動が行われてきました。
日本ももちろん参加しており、その時期に合わせて誰でも参加できる講演会や眼科検診などが行われてきましたが、2015年からはライトアップ in グリーン運動を日本眼科学会の公式行事として始まりました。
この話は、以前このブログでも書いたことがあります。
今年も、新型コロナウイルス感染症が蔓延しているこの時期であっても、例年通り開催されます。
それは、感染症は無差別に一斉に広がるという意味では、恐ろしいものですが、緑内障に限らず慢性疾患の場合、当初自覚症状もなく、気付かない間に静かに進行していくからこそ、こういう時でも治療を続ける必要があるからです。
今年の日本緑内障学会のメッセージを以下に要約します。
現在緑内障は、日本における中途失明原因の1位ではあるけれど、近い将来脱することができると信じています。
その根拠は、緑内障の診断と治療の進歩にあります。
OCT検査などが普及することにより、極早期の緑内障の診断率が格段に向上したこと。
多くの作用機序の異なる点眼薬が登場し、より低い眼圧コントロールが可能になったこと。
緑内障手術の進歩。
問題は初期の緑内障は、自覚症状が非常に少ない点にあります。
多くの患者さんが発見されないまま進行していることや、自覚症状がないため診療の中途脱落があること。
緑内障と診断されたことが不安となり、かえって医療機関から遠ざかってしまうこと。
長期間に及ぶ治療が必要であることを理解する緑内障に対する知識を持って、主治医や仲間 家族とともに希望を持って病気に向き合うことが、心の支えとなるはずだと思っています。
早期発見・継続・希望をキーワードにした啓発活動が非常に重要だと日本緑内障学会は考えています。