昨日ニュースで、心筋梗塞の患者さんがこのコロナ感染症拡大の影響で、通院を中断するケースが増加し、発作後の緊急搬送が増加していると報じていました。
インタビューを受けている患者さんのお話では、定期通院の場合、以前は気にならなかった周りの患者さんの咳などが気になって、うつされるのが怖くて通院をやめていた とのことです。
眼科では、急な緑内障発作や眼底出血といった視力が劇的に下がる病気の場合は、それでもご自分で気づいて、来院ということもあるでしょうが、私が一番気になるのは、点眼で治療コントロールが良好で、視野欠損もあるものの進行していない緑内障の患者さんです。
こういう方の場合、視野欠損が軽度の場合は、或いはたとえ視野欠損がそこそこ進んでいても、コントロールが良好で、病気のことをよく理解している病歴の長い患者さんには、治療薬を多めに渡して、通院間隔をあけて患者さんの負担を軽くしようと考えます。
ところが、当分薬はあったけれど、思わぬ事態 コロナ感染症もそうですし、熱中症 台風 地震なんであれ、たまたまなくなった頃合いで受診できなかった時、1週間 2週間とお薬が無くても、当初は少し心配だったけれど、点眼していなかったとしても、特に何の変化もない。
視力も特に下がったと思わないし、痛くもかゆくもない。
点眼しなくてもいいので、かえって快適。
そうして、日がどんどん過ぎていく。
こういう事態になることは、眼科医としてではなく自分だったら考えても、あり得ることのように思います。
中枢神経系である視神経の病気である緑内障は、不可逆つまり元に戻すことができない病気ですから、今ある視力 視野を宝物のように大切にして頂きたいと思います。