脳動脈瘤と目
昨日は、西宮にある兵庫医大の眼科学教室主催のセミナーに参加しました。その際の特別講演で、兵庫医大の脳外科教授の吉村紳一先生の、最新の脳外科治療についてのお話を聞き、感銘を受けました。そもそも眼球は、脳の出張所と言われるぐらいですから、脳外科とも密接な関係があります。今回は特に脳動
血液循環
糖尿病の合併症として、網膜症の発症は有名ですが、そもそも人間の血液の流れはどうなっているのかを復習したいと思います。血液が流れる管 つまり血管には、動脈と静脈があり、末端に行くほど血管の直径は小さくなりますが、その細動脈から体中に網目状に張り巡らされた毛細血管も含めると、全長10
ものが二つに見えたら
ものが二つに見える、複視という症状があります。片目で見て複視が出るもの(片眼性複視)と、両目で見て複視が出るもの(両眼性複視)とがあり、原因となる病気も違います。 片眼性複視は、乱視や初期の白内障、またはこれらの組み合わせで起こるもので、必要であれば眼鏡やコンタクトレンズ、白内
網膜色素変性症(その2)
以前にも書きましたが、網膜色素変性症の患者さんとは、おつきあいが長くなりますので、一年に数回しかお会いしないのに親しい感じがします。視力が徐々に下がり、視野が狭くなってきます。また暗闇に慣れるのに時間がかかり、眼科の診察室は暗いので、慣れた看護師さんが着席のお手伝いをすることもあ
ブルーライトと体内時計
最近LED電球は、価格が安くなったこともあって、大分普及してきました。そのLED光源のほとんどが、ブルーライトを利用したブルーLEDです。以下慶應大学眼科教授の坪田先生のペーパーからのパクリですが、ブルーライトは目のみならず全身の健康に大きな関連があることがわかってきています。目
ブルーライトについて part1
水曜日担当の草場です。最近ブルーライトについてよく耳にします。ブルーライトとは文字通り目に見える光線の青い部分です。これを感じる部分が目の網膜と呼ばれる神経細胞にあることやLED照明の普及により、注目を浴びることになりました。 ブルーライトが身体に及ぼす影響ですが、サーカディアン
白内障手術の相談ーただし愛犬のー
先日宮の前眼科の近くを、せかせか歩いていますと、愛犬を連れて散歩中の患者さんに呼びかけられました。そのお連れのワンちゃんが、獣医さんから白内障の診断が下され、全身麻酔下で、人工水晶体を挿入する手術を勧められたけど心配、というご相談。生憎私はペットを飼ったことは、生涯一度もなく初耳
ぶどう膜炎について
水曜日担当の草場です。かなり寒くなってまいりました。体調管理にはお気をつけください。今日は、ぶどう膜炎という病気の説明をします。 1)ぶどう膜炎とは?ぶどう膜とは目のなかの、虹彩(茶目)、毛様体、脈絡膜の3つのことの総称です。この3つの部分に炎症がおこることをぶどう膜炎といいます
網膜色素変性症(その1)
網膜色素変性症は、とても長い経過をたどる病気で、4000人から8000人に1人の頻度で発症するといわれています。慢性疾患ですから、眼科に通院される頻度は少なくても長期間のお付き合いになることが多く、世間話がでることもあり、印象に残る患者さんが多い病気です。網膜色素変性症は、網膜の
点眼薬の正しい使い方
患者様からしばしば点眼薬についての質問をお受けします。そこで正しい点眼薬の使い方について、Q&Aでまとめてみました。 Q 点眼薬って何滴入れたらいいのですか?A 基本的には1滴入れば大丈夫です。目はまぶたに 囲まれており、その部分を結膜嚢と呼びます。 点眼するとこの結膜嚢に点