網膜静脈閉塞症について〜Part 2
さて今回は前回に引き続き網膜静脈閉塞症の治療について解説します。まず薬物治療ですが、この疾患に対して効果的な点眼薬はなく、処方するとすれば内服薬になります。血流改善を促す効果を期待して末梢血管を拡張させるような循環改善薬であったり、また血管が閉塞すると血液が逆流して網膜に出血が起
網膜静脈閉塞症について〜Part 1
さて今回は網膜静脈閉塞症という疾患について解説します。この疾患は網膜にある静脈に血栓ができることにより、血流障害が生じるものですが、より太い静脈に起こる「網膜中心静脈閉塞症」と細い静脈に起こる「網膜静脈分枝閉塞症」とがあります。前者がより重症ですが、後者であっても視力がかなり低下
疾患別よくある質問♯8 糖尿病網膜症 繰り返す硝子体出血
Q 糖尿病網膜症のために約2ヶ月に1回の間隔で硝子体出血を繰り返しており、
糖尿病と目のはなし〜Part 3
今回は「糖尿病網膜症」のお話になります。前回少し説明しましたが、糖尿病に伴って網膜に異常をきたしたものが網膜症と呼ばれます。網膜血管が糖尿病によって障害されると、まず点状出血と言ってごく小さな出血班が出たり、硬性白斑と呼ばれる蛋白質や脂肪分が血管からしみ出たりしてきます。初期のも
糖尿病と目のはなし〜Part 2
今回はさらに糖尿病の目の合併症について詳しく述べてゆきたいと思います。糖尿病は血糖値が高くなることによって色々と身体に障害を及ぼす病気であることは皆さんある程度ご存知のことかと思います。通常、食事をしたら血糖値は上がりますが、膵臓で作られるインスリンというホルモンの働きによって血
糖尿病と目
糖尿病と目はとても深い関係があります。 糖尿病であることが、眼科で初めて診断されるということもたまにありますが、圧倒的には内科で診断されて来院ということがほとんどです。 最近は、患者さんも病気のことをよく知っていて自発的に検診に来られる方も多くなり早期発見につなげることができてい
疾患別よくある質問 #4 黄斑上膜・前膜
Q 会社の定期健康診断で眼底検査の結果、2年連続で「右眼黄斑前膜の疑い」(要精密検査)と指摘されました。
飛蚊症(ひぶんしょう)
飛蚊症 野宗先生のつぶやきに登場しました、飛蚊症についてのお話しです。虫やごみのようなものが飛んで見える、浮いて見える、といった症状を総じて、飛蚊症といいます。原因の多くは、目の中にある硝子体というゼリー状の部分のにごりやその影で、病気ではありません。子供の硝子体は、新鮮な生
生理的後部硝子体剥離
先日 5月の連休明けぐらいに私自身が経験したことです。左目に微かに視力の低下を感じ、本を読んでいると、少し左目だけ文字が歪んでいる気がしたのです。アムスラーチャートという歪みを調べる検査をしてみますと、確かに左だけ中心が少し歪みます。早速看護師さんにOCTを撮ってもらうと、まさに
網膜剥離
野宗先生が網膜剥離についての解説をわかりやすくしてくださっていますが、外来に剥離の患者さんが受診したときの流れを説明したいと思います。網膜剥離と網膜剥離裂孔というのは、事態の深刻さが違います。裂孔の場合はまだ本格的に剥がれていないため、レーザーで裂孔の周囲を焼き固めることで食い止