野宗先生が網膜剥離についての解説をわかりやすくしてくださっていますが、外来に剥離の患者さんが受診したときの流れを説明したいと思います。
網膜剥離と網膜剥離裂孔というのは、事態の深刻さが違います。
裂孔の場合はまだ本格的に剥がれていないため、レーザーで裂孔の周囲を焼き固めることで食い止めることができることが殆どで、運悪くレーザー痕を突破して剥離が進行してしまうと、手術が必要になることがあります。
一般的には、外来で完結する状態です。
一方受診された時点で、剥離に進行していた場合、レーザーで治療することは不可能で、硝子体手術、場合によれば、バックルをおく網膜の手術が必要になります。
つい最近も網膜剥離の状態で来院された患者さんがいました。
自覚症状は、視野が欠けてきて見え方がおかしい、しかも時間を追って視野の欠けが進んでいる。
人によっては、2~3日前から少しずつ視野の欠けが進んできて、ついに視力が下がってきて見えなくなってきた というところまできて初めて来院される方もおられます。
大体症状を聞いているだけで、およその進行度の察しがつきます。
視力を出す、網膜の中心部の黄斑部に剥離が及んでいるかどうかで、術後の視力の回復も大分違ってきますので、視野が欠けてきたと思ったら、眼底検査を受けるつもりで、受診していただきたいと思います。
一般に裂孔原性網膜剥離は緊急性のある病気ですので、一両日中には手術を受ける必要があります。
鄭先生の外来日の午前診であれば、当日手術が可能な場合もありますが、大体は緊急対応をしていただける病院に、受け入れ確認を電話でした上で、紹介・受診・手術という流れになります。