長らく緑内障で通院されている患者さんは、多くおられますが、年齢が上がるにつれ白内障の併発も増えてきます。
そして定期的に、眼底検査や視野検査をしていますが、診察している医師側は、どうしても白内障より、緑内障の悪化がないか 点眼薬の副作用がでていないか といったことが最大の関心事のため、白内障の進行については、あまり問題視しない傾向があります。
色々な心配事のある患者さんを診ていると、どうしても患者さんの気になっていることを優先的に診察することになるからです。
ただ視野の欠けがある緑内障患者さんの場合、むしろ積極的に白内障手術を受け、視力を改善した方が、生活のしやすさは緑内障のない患者さんより、より大きな恩恵が受けられると思います。
術後の眼圧コントロールや、緑内障薬の休薬等の問題はあるでしょうが、慎重に経過観察していれば、穏やかな緑内障の場合は、そこまで困難では無いように思います。
緑内障の治療で長くかかっておられた患者さんが、ご家族の希望での入院で白内障手術を受け、1泊2日で退院し今自宅に戻っている というご報告を御家族からいただきました。
以前その病院は1日の手術件数が5件と決まっていると、お聞きしましたが、そのためか何か月も待っての手術となり、ここしばらくはお会いできていませんが、良く見えているようだと、喜んでおられました。
ご本人は手術を嫌がっておられましたが、嫌がられつつもプッシュしたのは良かったと安堵しました。
ただ点眼がおぼつかなくなっているとお聞きし、ご高齢にもかかわらず大変しっかりした方だったので、数か月の間にそんなに変化することがあるだろうか と少し心配しています。
もう片眼が終わったらまた来院されるでしょうが、その日を少し心配しながらも楽しみにしています。