有名医学雑誌のLancetのオンライン版 5月15日号に、白内障手術を同時にした場合と、片眼ずつ別日にした場合の安全性や有効性 経済性についての比較結果が投稿されていました。
投稿者は、オランダ マーストリヒト大学医療センターのLindsay Spekreijse氏。
多施設共同無作為化非盲検非劣性試験の結果ということですが、結果的には想像通り、安全性や有効性は両者同等。
費用対効果は同時手術の方が、優れているという結果でした。
但し費用というのは、保険制度が国によって異なるため、日本における手術費用との単純比較はできません。
現行の日本における保険制度では、高齢者保険適応の場合、1割ないし2割負担の場合、同時に手術を受けた場合、わざわざ同時に受けなくても、もともとひと月内の負担額は1眼も2眼も同じです。
医療機関における諸々の消耗品や薬品等については、同時の方が節約になるかもしれませんが、自分自身が同時に受けたいかと問われると、そうは思わない以上、患者さんにも積極的に勧めることはありません。
ただ遠方等の患者さんの希望で、同時手術をした例はありますので、ご希望があればご相談ください。