点眼薬には、さす順番にある程度決まりがあります。
まず最初に、なるべく刺激が少ない点眼薬 ドロッとした感じのお薬はなるべく後まわしにして、水性のさらさらした物からさしていきます。
多くの薬は、さらっとした液体の点眼薬ですが、例えば白内障薬のカリユニや、粉末状のものが入っているフルメトロンのような懸濁性のものは、その次にさします。
懸濁性もその程度は様々で、緑内障薬のエイゾプトはかなり懸濁性は強いですし、チモプトールXEやリズモンTGなどは、目の中に入ることによってゲル化といって、ゼリー的な感じになるものもあります。
眼軟膏が出た場合は、最後に入れる必要があります。
軟膏はどうしても、角膜上に薄い油性の膜を作りますので、入れた直後は見えにくですし、他の薬をはじいてしまいます。
液体の性状では、上に書いた通りですが、薬の内容を考えた場合、最も効かせたいくすり 最も大切な薬を最後に入れるのが鉄則です。
次々入れた場合、先にいれた薬は洗い流されてしまう可能性があるからです。
入院しての手術が普通だった勤務医時代の初期には、看護師さんが入院患者さんにてきぱきと点眼して回っているのを目撃したことがありますが、あれは多くの患者さんに対してですから、やむを得なかったのでしょうが、5分ほどおいて次の薬を入れるというのが、正解です。
ただ5分も待てないほど忙しい場合、次の薬を入れないというよりは、続けざまでも必要な薬は全て入れたほうが良いです。
こう考えると、点眼薬の種類は極力少ない方がいいのは当然ですし、抗生剤やステロイド点眼などは、長期間使用することは控えたいと思います。
病気によってはそうもいかず、ジレンマもありますが、本来はそうありたいと願っています。