医師1000人に対して、5/8からの5類化でもうやめてもよいと思う感染対策、まだ必要と思う感染対策 というアンケートを2023年4月10日に行った結果がネットで公表されていました。
これは東京都民10,000人に対して東京感染症対策センターが、2023年2月に行ったアンケートを参考に行われたということで、医師と都民との考えの比較ができるという点で面白いデータだと思いました。
もうやめた方が良いと思う感染症対策として、1位がトイレのハンドドライヤー使用禁止 55%
2位 飲食店などのアクリル板等の設置 51% 3位 学校での授業中のマスク着用 47% 黙食 47%
都民の結果は1位 卒業式・入学式でのマスク直用 38.6% 2位 授業中のマスク着用
36.9% 3位黙食 35.6% その後、トイレのハンドドライヤー禁止 29.7% 飲食店な
どのアクリル板等の設置 29.1%
このアンケート結果では、医師の方が都民よりも不要と考える感染症対策をやめることに積極的であることが示されています。
その中でも、特にアクリル板等のパーティション設置については、感染症対策に有効というエビデンスも特になく、かえって不潔なままに放置されていることもあるのではないかと、私は思います。
物理的な飛沫を遮断するという効果はあるわけですが、飛沫のみならず飲食店の場合は、食べ物のお汁やたれなども付着したまま放置されていると、とても不潔な印象を与えてしまいます。
現時点では、政府は事業者の判断に委ねる ということですから、そろそろと周りのお店を見ながら対応していかれるのでしょう。
私としては、ハンドドライヤー禁止より、早くアクリル板等の設置を取りやめてほしいものだと思います。
医師の年齢別の分布を見ても、40歳未満の医師の方が、感染対策についてもう不要だと考える人の割合が全ての項目に対して高かったということです。
一方感染の再拡大は51%の医師が懸念しているものの、新型コロナ感染症が収束したと思える状況については、全体の1/3に当たる33%の医師が、インフルエンザと同じ感覚でとらえるようになること 22%が感染しても普通のことと思えるようになること 13%が治療薬が普及したら となっています。
医療機関の捉え方が、普通の考えだと皆が思えるようになって初めて、新型コロナ感染症が収束するということになりそうです。
医師集団といっても一人一人考えも違うでしょうが、なるべくエビデンスベースで考え、政府や周りの意見に左右されることがないようにしたいと思います。