皆さま、こんにちは。水曜日担当の草場喜一郎です。
9月に入りまだまだ暑い日が続きます。寒暖の差もあり、体調管理にはお気をつけください。 今日は黄斑円孔とういう病気についてお話しさせていただきます。
・黄斑円孔とは?
目には、カメラのフィルムにあたる部分が目の底(眼底)にあります。それを網膜と呼びます。網膜は目の底の内側に張り付いた神経でできた膜で、ここで光を感じ取ります。その網膜の中心に、物体を特に鮮明にはっきりと感じる部分があり、それを黄斑といいます。黄斑円孔とはこの黄斑にあな(孔)があく病気です。
・黄斑上膜の症状は?
初期の症状は、視力低下と物のゆがみです。徐々に進行すると、その見にくい部分が大きくなり、より視力が低下します。黄斑は網膜の中心ですから、見にくい部分は見ようとする中心なのです。痛みはまったくありません。また、不幸なことに両眼に黄斑円孔が起こる方がおられます。良い方の眼にも今後注意が必要です。
・なぜ黄斑円孔が起こるの?
眼の大部分を占める硝子体(卵の白身みたいなどろっとした透明なゼリーみたいなもの)は網膜の内側と面上にひっついてますが、この硝子体が網膜を引っ張ることによって、網膜の中心である黄斑にあな(孔)があくのです。すなわち黄斑円孔ができてしますのです。初めは小さい孔なのですが、徐々にまんまるの大きな孔になります。硝子体がに変性が起こってきて、硝子体が網膜から離れていくのですが、この時に、黄斑円孔は60代の年齢の人を中心におこり、女性に多い傾向があります。
・黄斑円孔の治療は?
黄斑円孔は目の一番奥にできる病気なので、目薬や飲み薬では良くなったりすることはありません。レーザー治療も効きません。黄斑円孔の治療は手術しか方法がありません。黄斑円孔の治療は手術により網膜を引っ張っている硝子体を切除して、引っ張っている力を無くしてやることなのです。最近は、孔を閉じさせる効果を強めるために、網膜の一番内側の膜(内境界膜)をはがすことも多いです。手術終了時には、孔を閉じさせるために目の中に水の代わりにガスを入れます。手術後はうつむけに寝ていただく必要があります。
・視力は回復するのでしょうか?
初期の黄斑円孔であれば、手術の後90%位の黄斑円孔は閉じます。しかし、黄斑円孔が閉じたからといって視力が元に回復するというわけではありません。しかし、黄斑円孔は手術せず放置すると大部分の患者様は視力が落ちていきます。現在の医学では、手術することによって手術する前の視力を保つことができたら成功と考えて下さい。しかし、患者様のなかには視力が上がる方が30%程度おられます。あがる程度の手術前の黄斑円孔の進行度合いによって様々です。術後の視力は正直、手術を執刀する者にもわからない場合がありますので、この現状を御理解いただけたるようお願いします。ただ、新しい円孔は視力が上がりやすく、古い円孔は視力が上がりにくいあるいです。特に、古い黄斑円孔である場合で、すでに視力が0.1以下である患者様は正直なところ視力回復はあまり望めません。