鄭先生の手術により、この度視力を回復することができ、感謝の念に堪えません。
私は、白内障の手術後に3か月毎に通院していた総合病院の眼科で、7年ほど前に網膜中心静脈閉塞症と診断されました。アバスチン注射(2回)と投薬により、網膜浮腫の症状は落ち着いたものの、2年ほど前から視力が著しく低下し、特に左眼は、ぼうっとかすんでほとんど見えなくなりました。眼の静脈内に血栓が詰まり、血流循環が悪くなった部分に毛細血管の代替として新生血管が生じ、それが破れて出血しているということでした。
その後も出血が続くようなので、通うのに便利な市内の総合病院の眼科でしばらく1、2か月毎に診察を受けましたが、医師からは「もう高齢(当時88歳)だから眼の中の血管がボロボロになってしまって、これはどうしようもないのですよ。この程度なら手術はしないで様子を見ましょう」と言われ、点眼薬と止血剤のみの処方を受けました。
そのうちに、今度は右眼もかすんできて、日常生活にも支障をきたすようになってきました。「何とか見えるようにならないでしょうか」と医師に聞くと、「高齢の患者さんには硝子体手術は勧めません。たとえ手術ができても、後で脳梗塞や心筋梗塞を起こすリスクがないとはいえないので、躊躇しますね」とのことでした。
そんな折、娘がインターネットで見つけてくれました。ホームページを拝読するにつれ、ここなら治してくださるのではないかと思いました。治療・手術の詳細や患者さんの体験談を読み、ぜひ診察を受けたいと思い、出かけました。
私は、早く良くなりたかったので、手術をお願いしました。それまで、手術はできないのではないかと不安でしたが、心からほっとしました。私は鄭先生が硝子体手術の専門家であり、素晴らしい技術を開発なさっていることもホームページを拝見して知っていました。そして後日、鄭先生の丁寧な診察と説明を受け、ますますこの先生にお任せしたいと思いました。
まず、悪い方の左眼の手術をしていただきました。点滴の後、手術に入りました。手術時間は45分ほどでした。先生を信頼しておりましたので、不安はありませんでした。先生の作業がとてもスムーズであったという印象があります。術中も、術後も痛みはほとんどありませんでした。日帰り手術ですが、翌日と翌々日に診察を受けるので、近くのビジネスホテルに宿泊しました。
翌日、診察の前に点滴を受け、看護師さんに眼帯を取っていただいたその時…「見えます!本当に見えます!ありがとうございました!」私は思わず看護師さんの手を握って言いました。そして、鄭先生に診察してもらい、「順調ですね」と言われました。その翌日、視力は0.05から0.06まで上がり、より見えるようになってきました。
その後しばらくは、毎週火曜日に鄭先生に診ていただきました。少し眼圧が上がり、眼圧を下げるための点眼薬を処方していただくことがありましたが、経過は順調でした。そして、2か月後には右眼も手術していただきました。この頃には、左眼の視力が上がってきたので、楽に手術を受けることができました。右眼の経過も順調で、術後3か月を経過した今、診察は1か月毎にしていただいています。現在、視力は左右とも0.2です。数字としては高くないですが、特に晴れた日は良く見えると感じています。
以前は本を読んだり字を書いたりするのが難しかったのに、今は不自由なくこれらができています。先日90歳の誕生日を迎えることができました。もし、鄭先生に出会わなければ、今頃どうなっていたでしょうか。
網膜中心静脈閉塞症は治りにくい病気だそうですが、高齢の私にも手術をし、見えるようにしてくださった鄭先生には心から感謝しております。また、看護師、スタッフの皆さまもいつも優しく丁寧に接してくださるので、大変有難く思っています。特に同じ病気で苦しんでいらっしゃる患者さんにはぜひ、受診されることをお勧めします。