患者様からしばしば点眼薬についての質問をお受け
します。そこで正しい点眼薬の使い方について、Q&A
でまとめてみました。
Q 点眼薬って何滴入れたらいいのですか?
A 基本的には1滴入れば大丈夫です。目はまぶたに
囲まれており、その部分を結膜嚢と呼びます。
点眼するとこの結膜嚢に点眼が溜まりますが、
点眼1滴が約0.03~0.05ml、結膜嚢は約0.03mlです
ので、2滴以上入れてもこぼれるばかりです。
点眼液によっては高額なものもありますので1回に
1滴を守って大切に使って下さい。
Q 点眼の正しいさし方を教えて下さい
A まず点眼液や目が不潔ならないよう、点眼前には
手洗いする方がいいでしょう。そして例えば右利き
の場合は左手の人差し指で軽く下まぶたを引っ張
って目線を上に向けます。次に右手で容器を押し
て点眼を1滴入れますが、この時点眼容器の先が
睫毛などに触れてしまうと不潔になるので、少し離
して点眼をします。目の悪い方でなければ、点眼
容器の先が見えた状態で点眼をすれば命中しや
すいでしょう。
点眼後は目を閉じて、あふれた点眼液はティッシュ
やガーゼなどで優しく拭き取ります。
さらに点眼後にしばらく目頭を軽く押さえてあげる
と点眼の効果がさらに高まります。
Q 点眼薬の順番ってあるのですか?
A 一応、順番は決まっています。
点眼液には水溶性のもの、油性のもの、懸濁性の
もの、ゲル化するものなどがあります。また点眼
以外にも、眼軟膏というものもあります。
油は水をはじくので、水溶性のものを油性のもの
よりも先に入れます。懸濁性のものは水に溶けに
くく吸収されにくい傾向がありますし、ゲル化する
ものや眼軟膏は目の表面に滞留してしまうので
最後にするべきです。
よって、水溶性>懸濁性>油性>ゲル化、軟膏の
順番になります。
最近では点眼の種類も非常に多く、薬局で聞いて
もらうのが一番確実だとは思います。
Q 2種類以上の点眼をする場合、連続ですぐに点眼
してもいいのですか?
A いいえ、いけません。
複数の点眼液を間隔をあけずに点眼してしまうと、
お互い濃度が薄くなったり、先に入れた点眼液が
外にこぼれてしまったりして、点眼液の効果がか
なり弱まってしまいます。そこで、理想的には5分
間隔をあけて点眼することが望ましいです。
ただし点眼の種類が多い場合や、日常生活が
多忙な場合などには5分間隔をあけることは難
しいこともあるでしょう。そのような場合には、
2~3分であっても間隔をあけるのとそうでない
のとでは効果がかなり違いますので、すぐに複数
の点眼することだけはどうか避けて下さい。