まず定義として、超高齢者とは何歳以上を指すのかということですが、一般的には、後期高齢者に当たる85歳以上を指します。
しかし私の感覚では、2017年の日本老年学会 老年医学会の提言による90歳以上の方が、外来患者さんと接していて、しっくりきます。
先の提言によると、65~74歳を准高齢者 75~89歳を高齢者 90歳以上を超高齢者と区分することを勧めるとなっています。
平均寿命の延伸に伴い、平均寿命を超えた90歳以上と考えるのが妥当との見解です。
ただ寿命が延びただけではなく、10~20年前と比較して、加齢に伴う身体的変化の出現が5~10年遅延しており、「若返り」現象が見られる。
65~74歳の前期高齢者では心身の健康が保たれており、活発な社会活動が可能な人が大多数を占めている。
と書かれています。
これは私の外来での印象と一致します。
そこでここでも90歳以上の方を超高齢者と考えた場合、やはり眼科的にも手術に注意がいるケースの年齢に該当すると思います。
一番が、眼球の老化という点です。
具体的には、瞳孔の開きが悪いこと 水晶体を支える組織が弱いこと かなり進行した白内障が多い 等です。
2番目は白内障手術は基本的には局所麻酔ですから、手術時間中は、目をキョロキョロさせず体もじっとしていないといけないですが、その事態が理解できない。或いは身体的に仰向けになることができない。
白内障手術は、安全に短時間に終了できるということが当たり前のようになっていますが、それは眼科的な技術や機械の進歩のみならず、患者さんのコンディションや協力によって成り立つものです。
これも年齢によって区切ることは、失礼に当たるとは思いますが、できましたら超高齢者に至る前に、白内障手術は終えておいた方が無難なように思います。