白内障の術後、経過観察を一年に1~2回続けることが多いですが、その一番の目的は、今回の話題の後発白内障によって、視力が低下していないかをチェックすることです。
病名として後発白内障というのが、まぎらわしいと思うのですが、この病名を伝えるともう白内障の手術は終わっています と言われることが多いです。
ただ症状として、あたかももう一度白内障になったように、かすんで見えたり、視力が低下したりということが起こります。
白内障の手術は終わっているのですから、もう一度白内障になることはありません。
ただ白内障手術時に挿入した眼内レンズは、水晶体の袋(嚢)の中に収まっているので、その一番後ろに当たる後嚢に濁りがでると、視力が低下します。
この現象は珍しいものではありませんが、視力が低下して治療の必要があるのは、大体20%程度と言われています。
正確なデータではありませんが、一般に1年後に約10% 3年後に20% 5年後に30%発症すると説明されることが多いです。
治療はレーザー治療で、もう一度手術室に入る必要はありません。
点眼麻酔後、レーザー用のコンタクトレンズをつけて、YAGレーザーを照射します。
網膜用のレーザーとは、また別の器械です。
時間的にも数分で終わり、痛みはありません。1週間後に診察し、視力が回復していることを確認します。
白内障の術後診察は、一度も受けていないという方を稀に見受けることがありますが、やはり時々経過観察のための診察を受けることは必要だと思います。