この1週間の間に、角膜上皮がほぼ90%ほど剥離して目があけられず、まぶたも腫れ、重篤感でいっぱいの患者さんが2名来院されました。
もう少し軽傷の角膜の3分の1とか、4分の1が傷ついているという状態は、比較的よくありますが、ここまで大きくはがれていると、とても傷みますし、視力も低下してかすんでいますから、不安でいっぱいになって来院されます。
診察のために、麻酔の入った点眼をすると、噓のように痛みが治まり、診察の画像を見せると、こんなに痛い理由がわかり、納得されます。
主にコンタクト関連で起き、このお二人も、コンタクトレンズを外した直後から激痛があったと言われています。
既にコンタクトレンズをつけた時点で、角膜上に傷ができていたようで、ゴロゴロしたけれどしばらくするとましになったので、そのままにしていたところ、やはり不調なので、外したらこうなったという病歴です。
角膜上皮は傷つきやすい反面、再生能力も旺盛なので、その間細菌感染に気をつけて上皮が張ってくるまで、抗生剤の眼軟膏を入れ、角膜保護の点眼及び抗生剤の点眼を入れ、やがて時が過ぎ、治っていきます。
鎮痛剤の内服も処方しますが、やはり劇的によく効くというわけにはいかず、上皮が張るまで、点眼を続けてもらうしかないのです。
麻酔用の点眼を希望する人がいますが、それは却って病状を複雑化させ、してはいけないことになっています。
コンタクトレンズも以前に比べ、素材が改良されていますが、こういうトラブルは全く0になるということはありません。
違和感を感じたら、その日のコンタクトは諦めるということが大切です。