SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで、発症するSFTS(重症熱性血小板症候群)という病気が兵庫県内で、6月に2例発症しました。
兵庫県内では、平成25年に2名 平成29年に1名 令和1年に1人 令和3年2人 という発症人数ですから稀な病気ではありますが、令和4年の今年は6月に2人発症したということですから、少し注意喚起が必要かと思います。
SFTSは症状としては、発熱 消化器症状(食欲低下 下痢 嘔吐 腹痛等)で、重症化すると死亡することがある。厚労省によると致死率は10~30%。
マダニは食品に発生するコナダニ 衣類や寝具に発生するヒョウヒダニ 植物の害虫であるハダニ類とは、全く異なる。
マダニは堅い外皮に覆われた比較的大型のダニで、主に森林や草地などの屋外で生息しており、市街地周辺でも見られる。
マダニは春から秋が活動期なので、患者もその時期に発生する。
今回兵庫県内で発症した方も、畑仕事をしていた80代女性 山菜採りをしていた70代女性とのことです。
全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけでは無いが、発症予防のためにはマダニに咬まれない為の注意が必要。
具体的には、草むらや藪などのマダニが多い場所に入る場合は、長袖 長ズボンそしてシャツの袖はズボンの中にいれ、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる。
足を完全に覆う靴(サンダルは避ける) 帽子 手袋を着用し、首にタオルを巻く等 肌の露出を避ける。
服は明るい色のもの。(マダニを目視で確認しやすいため)
虫よけ剤の中には、服の上から用いるタイプがあり、補助的ではあるが効果があると言われている。
屋外活動後は、入浴しマダニに咬まれていないか確認する。(特に脇の下 足の付け根 手首 膝の裏 髪の毛の中)
現在のところSFTSウイルスに対して有効なワクチンは無い。
SFTSは西日本中心に発生している。
もし咬まれていることに気付いたら、咬まれて時間が経っていない小さなダニは、手で払えば取れる。
マダニは多くは、ヒトや他の動物に取り付くと、長時間(数日から長いものは10日以上)吸血するが咬まれたことに気付かないことも多いそうです。
吸血中のダニに気付いたら無理に自分で引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚の中に残って化膿したりマダニの体液が逆流するなどの恐れがあるので、皮膚科等で処置を受けることを勧めるとなっています。
マダニに咬まれた後は、数週間体調の変化に注意をし、(潜伏期間は6日~2週間)発熱等が認められたら、マダニに咬まれたことを伝え、医療機関を受診。
SFTSは、4類感染症に分類されており、SFTSの患者さんを診た医療機関は最寄りの保健所から、都道府県に届出をする必要があります。
兵庫県立生活科学研究所でウイルスの検査をすることで確定診断となります。
但し特異的な治療法はなく、対症療法が主体のため、予防 早期発見が大切だと思います。