白内障手術はいつ受ければ良いか?という話題はこのブログでも、よく書いてきました。
JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)というアクティブに手術をしている眼科医の集う学会がありますが、そのHPのQ&Aの中に同様の質問に対して答えていました。
参考文献の最新が2013年ですから、ちょっと古いものですが、かいつまんでご紹介します。
世界の失明原因の第一は、依然として白内障で、失明全体の40%。
白内障は高齢になるにつれ発症するので、高齢化の進んだ国では患者数も多く、日本も世界的に見て高齢化が進んでいるので、眼科医の行っている手術の85%が白内障手術です。
でここからが本題ですが、手術を受ける時期については、受ける人の生活に支障をきたすかどうかが一番の問題で、白内障が進行して眼鏡が役に立たなくなったり、車の運転や日常生活に不便を感じることが多くなったら、つまり「自分が不便を感じたら手術を受ける時期」と考えたらよいでしょう。
と答えています。
50代で免許のために受ける人もいれば、90代まで生活に不自由を感じていなかったので受けなかったというケースもあります。
と紹介し、そのうえで場合によっては早めに手術を受けるべきケースもあり、放置してはいけない例として、進行した白内障が引き起こす可能性として、緑内障やブドウ膜炎があげられていました。
狭隅角の人に起きやすい緑内障については、今までも書いてきましたが、ブドウ膜炎は頻度も少ないため、あまり書いていませんでした。
ただつい最近、ブドウ膜炎までは進展していなかったですが、虹彩炎を起こしている白内障手術を絶対したくない患者さんを経験し、やはり患者さんの意思を尊重するばかりではいけないことも実感しました。
Q&Aに戻りますが、現在日本で行われている白内障手術は、精度 安全性 必要な時間においても非常に完成度が高く、諸外国に比較研究した報告書によると、高いQOLが得られる割に、費用は非常に安く、欧米の半分程度と言われている と書かれていました。
この引用文献が2013年なので、現在はどうかわかりませんが、白内障手術の保険点数は、下がることはあっても急上昇ということはありませんので、今も通用すると考えていいと思います。