ステロイド製剤(点眼薬に限らず、注射 内服薬 皮膚に塗る外用薬 等を含む)に反応して眼圧が上がる人をステロイドレスポンダーと呼びます。
ステロイド薬は、炎症を抑えるために大切な働きをするので、治療には欠かせませんし、眼科の白内障や緑内障 網膜硝子体手術 等の内眼手術の後には必ず処方する薬です。
一般に、ステロイド薬の使用期間 用量に比例し、知らずに長期間 眼圧が高いままの状態が続くと、高眼圧から緑内障に進展していきます。
先日も術後の点眼を開始して、1週間足らずで眼圧が上昇した患者さんがいました。
すぐに点眼薬のうちステロイド点眼を中止すると、次回診察日には正常化していました。
他眼も手術後ステロイド点眼で眼圧が上がることは予想されていましたが、予定通り点眼し1週間後に中止することにしました。
薬効のはっきりしたステロイドや 抗生物質 鎮痛剤 等は使い方によっては、毒にもなる両刃の剣 といった一面もありますから、むやみに恐れて全く使わないということも 効果を過信して長期に診察なしで続けるというのもよくないことだと、改めて思います。
ステロイド点眼の場合は、短期間 少量を使う分には、中止するとほとんどの場合問題なく眼圧は、正常化します。
知らずに使い続けることが問題で、特に幼い子供が眼圧は上がりやすいということがわかっていますので、多くの薬を色々な眼科から処方を受けて、長く使い続けるということが無いように注意してください。
眼圧が上がるメカニズムは、房水が眼外に出ていくときに通過する線維柱帯の働きが落ち、房水が貯まりやすくなるからと、言われています。
よく効く薬ほど、長期に使う場合はチェックが必要です。