新生児から就学時までの視力の発達については、よく知られてきています。
ただ未だに、小学校就学時 時に3~4年生になって初めて、弱視であることがわかることがあり、眼科医としてとても残念な気持ちになることがあります。
生後1か月ほどはほとんど見えない子供が、成長につれ1歳で0.2 2歳で0.4位に発達します。
その後3歳までに急速に発達し、6歳時には1.0位に達しているのが正常とされています。
視力の発達というのは、感受性のある時期に限られており、期待できるのはおよそ9歳ぐらいまでと言われています。
感受性が最も高いのは、生後3か月から1歳半頃までですが、3歳頃まで続きます。
ですから3歳児健診での視力発達を確認することはとても大切なことです。
感受性時期を過ぎてしまうと、大人になってから弱視を治療することはできません。
3歳から6歳ぐらいまででも、治療することで視力の発達は期待できます。
屈折矯正のための眼鏡を常時かけること 片眼のみの弱視の場合は、良い方をアイパッチでふさぎ、屈折異常を矯正した眼鏡をかけた弱視眼(悪い方の目)で物を見ることで、視力の発達を促すことは可能です。
伊丹市では既に導入されていますが、全国規模でのフォトスクリーナーの導入を、日本眼科医会は厚労省に働きかけています。
それは幼児の視力測定というのは正確に測ることが難しく、まして家庭内での測定には限界があるからです。
但し3歳未満の低年齢におけるフォトスクリーナーの精度は確立しておらず、有用性はまだ証明されていない為、1歳6か月健診でのスクリーニング検査での使用は、今のところ推奨していないとなっています。
フォトスクリーナーについての説明も別ブログで書いていますので、ご興味がある方は読んでみてください。