日本白内障学会のホームページからの引用です。
最近は眼科領域ではQOV といった表現もしますが、QOLというのは生活の質 つまり人生における幸福感の指標といった意味です。
白内障があることによって、その幸福感がどのように阻害されるかといった話題です。
白内障の症状としては、視力が低下するというのは有名ですが、かすんでいながらも外来で視力を測ると結構でることはあります。
ただ日常生活においては、例えば、動体視力や視野の感度が落ちたり、コントラスト感度(見ているものの明暗差)が落ちたりといった、漠然とした不快感といったものを感じる人は、多くいます。
しかし急速に進行するというより、慢性的に徐々に進行してその視環境に慣れてしまっていることもあり、自覚がない場合もあります。
この学会によると、白内障による交通事故リスクは2.5倍 転倒リスクは1.8倍となっています。
米国の調査だそうですが、65歳以上において1年間の転倒経験者は約40%。
死亡者数は約21700人 怪我人230万人。
その他に、歩行速度の低下 読書速度の低下 睡眠の質の低下 といった報告もあります。
白内障の罹患率は60代で約7割 80代でほぼ100%。
白内障治療によって、QOVのみならずQOLの改善が期待でるとしたら、嬉しいことです。