新型コロナウイルス感染症は、日本は優等生的に見事に減少していたのに、オミクロン株が現れたことにより、明るい気分が後退気味になっています。
ただ感染率が高いと重症度は低いことが多いという、感染症の一般的な常識を基に、あまり心配いらないらしいということもよく言われています。
そのエビデンスもそろそろ出始めてきており、それが確かなものとなるのは、この日本での今後の疫学調査でもはっきりすることだと期待しています。
更なる朗報は、いよいよ経口治療薬が、12/4英国で世界初の承認を得られたことです。
この薬は米・メルク社製のモルヌピラミドで、軽症~中等症の感染者で、重症化リスクを持っている成人患者を対象とした解析で、発症後5日以内に投与した場合、入院または死亡リスクを50%低減。
早期承認を目指して、欧州で申請していました。
ついで米・ファイザー社製のパクスロビド。
12/14のプレスリリースで最終データを報告し、発症3日以内に服用した場合、入院・死亡リスクをプラセボ投与群と比較し89%減少したことを公表しました。
現在拡大懸念の、オミクロン株へも強固な抗ウイルス活性を持っている可能性が示唆されています。
FDAは、このパクスロビドに対し、緊急使用許可を出しましたが、使用許可の対象は限定されています。
年齢が12歳以上、体重40キロ以上の患者で、検査で陽性となり、入院もしくは死亡を含む重症化リスクが高い場合。
ファイザー社は、米国内向けに直ちに供給を開始する準備が整っているというコメントを出しています。
どこの国でも自国民第一というのは、当然のことですが、日本国内でも鋭意研究が進んでいることを期待したいと思います。