斜視手術は、眼位(黒目の位置)を矯正する手術です。眼球に付着している外眼筋を、いったん切り離してから、後ろに縫い付けてその作用を緩めるか、反対に前に移動してその作用を強めるのです。手術前の検査で十分に眼位を測定しますが、矯正手術ですのでどうしてもわずかに誤差が出ます。といってもこの誤差はごくわずかですので、実際に手術の後で見た目が気になることはまれです。また外眼筋が付いているのは眼球の外側なので、白内障など眼内手術に比べると非常に安全です。
当院ではできる限り小さな切開で手術を行う小切開斜視手術を基本術式としており、洗顔や洗髪などを含め、手術後の生活は翌日より通常通り行っていただけます(年齢などにより小切開手術ができないこともあります)。
【実際の手術方法について】
目薬の麻酔をして消毒し、透明のシールでまぶたを開け、器具で軽く固定します。白目の部分にある結膜と、テノン組織を切開すると外眼筋が露出します。しみこませる麻酔をして痛みがなくなるとともに、ぼーっとして少し見えにくい感じになります。露出させた外眼筋にナイロンの糸をかけてから眼球から切り離し、後ろか前に移動させて眼球の壁に縫い付けます。結膜を細い糸で縫合して終了です。手術時間は一つの筋肉につき15~20分くらいです。