白内障の症状について改めて問われると、どうお伝えしようかと思うことがあります。
なぜなら、すでに水晶体の濁りが出てはいるものの、視力が1.0前後と良い数字が検査結果として出ているからです。
今の見え方が、すでに濁りを通してみている状態で、子供たちの1.0とは明らかに質の違う見え方のはずだからです。
ただ急に発症するわけではなく、何年 何十年と時間をかけて、変質していくので、自分では自覚していないだけなのだと思います。
同時に2つの経験ができない以上、それが当たり前です。
だとすれば、診察で確認できる濁りがあったとしても、視力がでていたら、白内障は心配ありませんと、患者さんの耳障りの良い言葉でお茶を濁していてよいのか?
ある意味白内障だけであれば、心配ありませんという言葉は正解でしょう。
治療の手段を持っているからです。
濁りが出てきたとしても、これは白内障が出ていることのお知らせの第一報で、すぐ手術がいるわけではないことは、合わせてお伝えすることにはしています。
手術をするタイミングについては、今までも書いてきましたが、かなり進行するまで待つ、守りの人。
例え視力が1.0でていても、自分の身体の異変に敏感で早めの治療をする攻めの人。
それは、人それぞれです。
そしてその姿勢は、医師として尊重しますが、ある程度高齢にさしかかってきたなら、人に助けられずに治療を受けることができる状態の間に、決断することも大切だと思います。