インターロイキン6というのは、あまりなじみのない話題かもしれませんが、昨年の10月にこのブログにも書いたことがあります。
ご興味があれば、読んでみて頂きたいのですが、IL-6というのは、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを判定する際に役立ちそうな、5種類のバイオマーカーの一つにあげられていたものです。
IL-6というのは、炎症が起きた時に、体内でそれに反応して作られる蛋白質(サイトカイン)の一つで、他にもインターロイキンやインターフェロンなどが有名です。
今年の2021年1月1日付けで保険適用が認められたロシュ社の、エクルーシス試薬IL-6というのは、新型コロナ感染症に限らず、救急搬送された患者さんや集中治療を必要とする患者さんの重症度判定の補助として使用することとなっています。
高サイトカイン血症になることにより、全身性の臓器障害やショック状態が引き起こされて、多臓器障害へと進展して死亡率が上がることになる。
その重症度を早期に見極めて、治療方針や治療強度の検討ができることが、何よりのメリットとのことです。
現にこの検査の判定結果は、約18分で得られるとのことですから、臨床現場に直結しているといえます。
このエクルーシスIL-6は、2020年6月にアメリカで新型コロナウイルス感染症の患者さんに、人工呼吸のための挿管の必要性の判断を目的として、緊急使用承認を得たものだそうです。
新型コロナウイルス感染症という病気はもちろん有難くないものですが、人の叡智はそれすらも活用して役立てることができるのだとも、考えることができそうです。