今日は手術話というより、水晶体について書きたいと思います。
水晶体というと、赤ちゃんの時は無色透明と思われるでしょうが、本当は新生児の時からごく薄く黄色く着色しています。
有害な紫外線カットのための神様からの贈り物。
というわけでもないでしょうが、無色でないことは本当です。
水晶体は光を屈折させ、像を網膜に結ぶために大事な働きをしていますが、紫外線のほとんどは水晶体までで吸収し、大切な網膜を守る勤めも果たしています。
血管や神経はなく、ほとんどが水で他の成分はタンパク質。
だいたい7:3ぐらい。
血管がないのでその新陳代謝は、角膜と水晶体の間にある房水によって行われます。
房水から栄養を取り、老廃物を房水に戻す。
水晶体は外側から、上皮があり、皮質 真ん中に核があります。
核は新生児にはなく、水晶体皮質は生きる年数に応じて作られ続けて、真ん中に移動していきますが、消化する機能はないので、増える一方です。
ある程度の大きさの限界が来ると密集することにより、圧がかかり真ん中に核ができてきます。
それが、だいたい20代ぐらいです。
そこがうっすら黄色くても白内障とは言いません。
水晶体皮質は一生作り続けられますから、年齢が上がるにつれ、核が大きく固くなり、黄色 茶色 こげ茶と核白内障が進行していくのは、やむを得ないことなのです。
白内障の手術をすると、もちろん水晶体皮質はなくなりますから、もう核はできません。
水晶体一つをとっても、とても不思議で大切な器官ですね。
自分で作ろうったって無理なこと。
多少の不都合や不満はあったとしても、大切な自分の唯一無二の身体。
大事にしたいですね。