眼瞼下垂というと、以前は先天的に上眼瞼を引き上げる筋肉の力が弱いために起きるものを指すことが多かったです。
片側だけの目に、瞳を覆い隠してしまうほどの下垂があると、視力の発達を邪魔して、弱視になる恐れがあるため、その程度を評価する必要があります。
小さい赤ちゃんに、急いで手術をする必要があることは稀ですし、たいがいの場合、眼球そのものに異常があることはないのですが、弱視になる程の程度の強い場合は、幼くても手術が必要になることもあります。
ただ、自然に治ることもないため、ある程度目立つ場合は小学校に入学する前に、計画的に手術を予定することが多いです。
一方、高齢化社会の影響で、眼瞼下垂というと、加齢性のある意味自然現象といいたい程度のものでも、気になる方も多いようです。
もちろん病的な、脳動脈瘤による動眼神経麻痺の結果であるとか、重症筋無力症の症状だったり、他科的な治療が必要な場合もあるので、なんでも老化と決めつけることはできません。
また単なる加齢と軽くあしらう程度のものばかりではなく、両眼の瞳の部分がまぶたで覆われてしまっていて、顎を上げ、後頭部をのけぞらせるようにしてテレビを見ないといけないなど、肩こりや眼精疲労の原因になっている方もおられます。
ハードコンタクトレンズを長年使用していたり、アトピー性皮膚炎があって、まぶたを強くこすっていたなど、必ずしも高齢者でなくても、眼瞼下垂が目立つ人もいます。
当院では、保険適応での治療しか行っていませんので、二重瞼になりたいというだけの理由では手術適応はありませんが、上記のような症状で気になることがあるようでしたら、ご相談ください。