10年ほど前は、白内障の術後にメガネ合わせをするのは、最低でも1か月後、可能ならもう少し経ってから、ということが多かったです。
最近は、特に手元重視で人工水晶体の度数を決めた場合は、術後早く運転したいとか、旅行に行きたいなど、遠くも良く見えたい場合は、術翌日でも検眼することができます。
例え白内障の濁りが取れたとしても、眼鏡がないとピントが合わないので、やはり早めの眼鏡合わせが望ましいからです。
一方遠くにピントを合わせた場合は、普段は眼鏡なしでよく見えますが、手元は老眼鏡が必要です。
老眼鏡は、短期間であれば、簡易のものはどこでも売っていますので、正式に検眼するまではそれで間に合わせることも可能です。
早い検眼が可能になった原因の一つは、手術が洗練されてきて、翌日の炎症がとても軽微になったこと。
もちろん難症例であったり、眼科的・他科的基礎疾患があったり、90歳以上のご高齢であったりすると、必ずしも翌日の視力で検眼できない場合もありますが、それはどちらかというと、少数です。
もう一つの理由は、眼鏡店のサービス向上です。
少なくともこの10年位の間に、眼鏡の度数変更を3か月とか6か月などの一定期間は無料で交換してくれるお店が増えています。
どうしてそういうことが可能なのかはわかりませんが、チェーン展開しているところに多いように思います。
眼科医としては、安心して処方できるこのシステムは助かります。
もちろん急ぐ必要がない場合は、ゆっくり落ち着いて1か月ほどしてから、或いは必要と思う時まで、検眼を先延ばしすることもあります。