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世界の花粉症

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2020/03/12担当:山本 洋子
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最近眼科の研究会や勉強会の類は、軒並み中止となり、週末は意外と自由時間が増えてきました。

そういえば、教会のごミサも当分中止です。

 

それで週末には、読もうと思っていて読めていなかった資料を見る時間ができ、以前もらっていたノバルティスファーマ社の世界の花粉症についてのパンフレットを見つけました。

 

2016年の報告ですから少し古いものですが、WAO(World Allergy Organization)の報告によりますと、世界中で花粉症罹患患者は世界人口全体の22.1%で、過去15年間を平均すると年間0.3%ずつ増えているそうです。

 

世界の3大花粉症というのがあって、それぞれの国における有病率比較で

1位 日本のスギ花粉症 有病率26.5% 

2位 イギリスのイネ科 感作率21.8%

3位 アメリカのブタクサ 感作率19%

 

スギ花粉のピークは日本で2~4月 イネ科はイギリスで5~7月 ブタクサはアメリカのワシントン州で8~9月がピーク。

 

このパンフレットでは、世界的な花粉症増加の原因を分析していますが、まず気候変動。

 

植物の花粉の生成には、気候が大きく関係することは考えられますが、最近の地球温暖化によって大量に花粉が作られること。

 

次に大気汚染。

 

花粉の大きさでは、大きすぎて下気道まで入り込むことは不可能ですが、花粉の表面に大気汚染物質が吸着することで、花粉の表面や内部に含まれているアレルゲンが放出されてしまい、そのアレルゲンは微粒子のため、下気道まで入り込んで、症状を増悪化するようです。

 

最後に衛生仮説。

 

これはちょっと難しいのですが、人間の免疫系には2種類あり、一方の免疫系は衛生環境が良くなったり、少子化 乳児期での感染症リスクが減ったことによりそちらの免疫反応を十分刺激できない状態にある。

 

もう一方の免疫系は、反対に大気汚染や欧米系のライフスタイル ダイエットなどの都市型生活により、過剰に刺激されている。

 

この2つの免疫系のアンバランスでアレルギー性の病気が増加しているという、Th1/Th2パラダイムが結構話題になりますが、この仮説に矛盾した報告もあるそうで、これはまだ仮説の域を出ないようです。

 

どちらにしても、確かに花粉症の人は増えており、症状も強くなっている気がします。

 

昨今のウイルスの影響で、咳をしにくい状況ですが、咳が出る人はもちろんマスクが必要ですが、こういったアレルギー性の咳は治療していても完全に止めることはできないこともふまえ、呼吸器症状のある人に対してある一定の理解を示すことも必要だと思います。