もう既にご存知の方も多いと思いますが、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は今年の4月から、先進医療から外されることになりました。
医療者側としては、手術内容も患者さんに対しての適応も変わりはないのですが、患者さんとしては費用負担が大きくなる人と小さくなる人に分かれます。
このブログは、患者さんのためのブログですから、その点を今日は書きたいと思います。
費用負担が大きくなる人は、生命保険に加入し、かつ先進医療特約を付けていた方です。
国の認可した多焦点レンズを使用し、先進医療を行える医療機関として国に登録した施設で手術を受けた場合、生命保険会社から求められる書類を、手術をした医療機関が記入することにより、レンズ代を含め手術にまつわる当日の医療費を保険会社が負担するというシステムでした。
ですから、患者さんとしては、医療機関の窓口で立て替え払いをするだけで、後日生命保険会社から返金してもらえることになり、実質負担は無しということでした。
一方、先進医療特約に加入していない方の場合、多焦点レンズを使用した白内障手術は、今までは手術当日の医療は、多焦点レンズ代のみならず白内障手術代も自己負担でしたが、今後は選定医療扱いということですから、多焦点レンズ代のみが自己負担となり、白内障手術自体は保険診療で賄えることになります。
選定医療というのは、一部混合診療を認めるということです。
ただその際も、白内障手術に保険診療を認めてもらうためには、やはり今まで通り国の認可したレンズであることが必要ということです。
それ以外の個人輸入が必要なレンズについては、今まで通り完全な自由診療となります。
どのレンズを選んでも多焦点レンズは、レンズ代金自体が高額ですが、この方針転換を受けて、メーカーのレンズ代が安くなるという話は今のところまだ聞いていません。