白内障手術について説明する時、よく聞かれるのですが、ご自分の年齢を考えると今更手術を受けたくない。
ついては、自分の生きている間、この白内障の進行を停止ないしは遅らせる方法を教えてください。
といった内容です。
何回でも説明致しますが、まず自分の寿命は自分では決めることはできないので、短期と決めつけることはないこと。
また例え短期だとしても、いえ短期だからこそ今現在がより大切ですから、体調が整っているなら手術という選択肢もあること。
白内障という病気自体は、決して一刻も争うような病気ではないですから、急ぐ治療を優先することは当然ですが、自然と治るという期待は一切ありません。
私が駆け出しの医者だったころは、見事に真っ白に白濁し今にも溶けだしそうな白内障や、那智黒飴のように真っ黒にカチカチになっている白内障も見かけることはありました。
今とは手術法も違い、手術にかかる時間も長くても普通だったころです。
つまり長期間放置すると、どこかで白内障の進行が止まるということはないことは、実証済みです。
ですから、現在のように手術技術も器具も発達した恵まれた時代に生きているのですから、何歳でも手術を受けるのに遅すぎるということはないのです。