手術時に入れた人工水晶体の度数によって、ピントの合い方が変わりますが、それによってメガネを作るタイミングも少し変わります。
単焦点レンズで、手元が30センチぐらいの普通の姿勢で見える状態に合わせた場合は、近視ですから、普段テレビを見たり、外出したりする際には、メガネが必要で、早速作る必要があります。
手術前から近視の方が殆どですから、術前のメガネをかけるつもりの方もおられますが、手術前が強い近視の場合は、わざわざ強い近視を残すことはせず、近視の程度を軽くするわけですから、以前のメガネは全く合いません。
人工水晶体の度数を、パソコンが見やすいことを重視した場合、近視の程度は本を読むより軽い状態になっていますから、細かな手元作業をする場合は、軽い老眼鏡が必要ですし、近視はありますから普段もメガネをかける必要があります。
もともと遠くが良く見える視力だった方は、やはり遠くにピントを合わせることがほとんどですから、近くを見る際には老眼鏡が必需品です。
ただ簡易の老眼鏡は、最近どこでも売っていますので、それを使って当座をしのぎ、2か月ぐらいしたところで正確に合わせるといった時間的余裕があります。
一方、近視用のメガネは市販されていませんので、なるべく早く検眼して合わせることをお勧めしますが、予約を取る時間的余裕がない場合は、仮のメガネを眼鏡店で合わせてもらい、数か月後に眼科で処方変更のための調整をすることもあります。
多焦点レンズを入れた場合は、遠くも近くも見える状態になるのにかかる日数は、かなり個人差があります。
あっという間になれる方もいますが、眼球の網膜に映った像を脳内で組み立て作業をして視覚としてみているので、本調子になるまで数か月かかることもあり、余程不便がない限り、眼鏡合わせは少し待ってからということになります。
どこにピントを合わせたにしろ、常時メガネをかけたいという方もおられます。
その場合は、メガネ自体に慣れている方が殆どですから、遠近両用の眼鏡を合わせて処方すると快適に過ごせると思います。