昨日は大阪での眼科集談会に参加しました。
集談会というのは、まだ学会発表になれていない研修医たちのいわば修練の場を提供するという意味合いもあり、一例報告などが多くメージャーな会ではありません。
が、身近な症例のように見えて実は稀で重篤な病気の始まりのサインだったという気付きを得ることも多く、私は割と好んで参加しています。
また難しい質問がでたときは、指導医の先生が代わりに答えてくれますが、その回答も小ぶりな会ならではの本音も聞けて勉強になります。
昨日印象に残ったのは、緑内障を合併している白内障術後の(実際の症例は黄斑円孔に対して硝子体手術も同時に行った症例ですが)、緑内障治療薬(プロスタグランディン系)についてのお話です。
プロスタグランディン系の緑内障治療薬は、炎症を引き起こす作用があり、視力をだす黄斑部に浮腫が起こり、視力が低下することがあるので、術後しばらく休薬することが多いのは医師たちの中では共通認識だと思います。
ただ昨今白内障手術の技術も器械も以前に比べて格段に進歩し、手術自体の侵襲も強くないので、中断しなくてもよいという考えの先生もおられます。
緑内障の程度や術後の眼圧の高さにもよると思いますが、私は経過を見ながら術後急性期の間は極力プロスタグランディン系の緑内障治療薬は中止しています。
昨日の会では、一般に白内障術後緑内障治療薬はどれぐらいの期間中止するのが望ましいかという質問に対し、できたら6か月という答えがありました。
慢性疾患である緑内障 しかも治療薬はプロスタグランディン系以外にも選択肢は他にもありますが、一番よく眼圧が下がるのは何といってもプロスタグランディン系薬であることを思いますと、6か月の休薬はつらいようにも思います。
患者さんひとりひとり抱えている事情は違いますので、やはり経過を慎重に見ていく姿勢が大切だと痛感しました。