最近立て続けに2人ほど来院がありました。
この病気は、角膜に傷をつけたことをきっかけに、その後特に原因は思いつかないのに、角膜びらんを繰り返します。
きっかけとなる傷で一番多いのは、木の枝や紙 赤ちゃんの爪でできるひっかき傷です。
角膜は再生力が旺盛なので、数日で治ることがほとんどです。
再発性角膜びらんは、そのようなきっかけがあった後、同じ場所に何回もびらんが再発します。
特に朝起きぬけの乾いた目に痛みが走り、以降充血 流涙がしばらく止まらないという症状をお聞きすると、問診だけでも推察できる特徴的な病気です。
びらんの程度によってはかなり症状が強く、患者さんも何か得体のしれない病気ではないかと不安な面持ちです。
原理は角膜の一番上の上皮細胞と、それを支えている基底細胞とのくっつき力が弱くなってはがれやすくなるために発生するのですが、一部の人にだけ起きる理由はよくわかっていません。
角膜の病気がある人 糖尿病の人に多いともいわれますが、それ以外の人にもおきます。
朝の乾燥した状態で起きやすいですので、寝る前に眼軟膏を入れて眠る 慣れてきたら朝起きる時にそうっと目を開けることなどで、対処できる人もいます。
傷そのものは抗生剤の点眼や、角膜保護の点眼を使い感染症を起こさなければ必ず治りますし、再発の間隔も段々長くなることがほとんどです。
傷がひどく、痛みが強い場合は、日中も眼軟膏を入れ、瞬きの刺激を避けるために眼帯をしたり、治療用のソフトコンタクトレンズをのせることもあります。
ともかく痛みがあるときは放置せず、眼科受診してください。