さて今回は網膜剥離の症状についてお話したいと思います。前回のブログで説明しましたが、網膜剥離が起こるにはまず「網膜裂孔」の発生というものがあります。この網膜裂孔が発生する時、最もよく起こる症状に「飛蚊症」があります。
「飛蚊症」とは小さい黒っぽい影が視界に見える症状のことで、あたかも蚊が飛んでいるかのように見えることから、このような呼び名になったと考えられます。この影は点のようなものだったり、糸くずみたいなものだったり、色々です。通常、網膜裂孔ができるとこの飛蚊症が急激に起こります。ただ、飛蚊症は加齢に伴って硝子体が変化してくると自然に起こる症状でもあるため、なかなか気づかなかったり、あるいは全く症状が出ない場合もあります。特に若年の近視の人に起こった場合、症状が出にくい傾向があります。
また、網膜裂孔が生じる時に網膜の血管が切れて出血が起こる場合もあります。この場合、出血量が少なければ飛蚊症程度の症状しか起こりませんが、出血量が多ければ急激に視力が低下して、ほとんど何も見えない程になってしまうこともあります。
また、「網膜裂孔」から「網膜剥離」に至ってしまうと、通常、「視野障害」が起こります。すなわち、例えば網膜の半分が剥がれてしまえば、視野も半分欠けて暗く見えるといった感じです。ただし網膜剥離が非常にゆっくりとした進行であったり、剥離の程度が軽い場合などでは視野の異常を全く感じないケースもあります。
以上のように症状は様々ですが、もしも急に飛蚊症が出たり、視野が欠けて見えるといった場合にはすぐに眼科を受診した方がいいでしょう。