数日前救急車で来院された方がありました。
病名は結膜下出血。以前草場先生がこのブログで書かれていますので、読んでみていただくといいと思いますが、基本的には、救急性があることはまずない病気です。
見た目には白目が真っ赤になりますが、痛くも痒くもなく、もちろん視力にも影響することはありません。その方は、12月以来5回目で、今回が一番ひどかったので不安になって、119番に連絡したとのことです。
かかりつけの眼科に連絡が取れず、不安だったとはいえ、赤い出血は白目全体の半分以下ですので、見て不安になるほどヒドい状態ではありませんでした。
ご本人によりますと、眼科医受診もしているわけですから、心配のいらない病気であることは承知です。
救急車が突然眼科医院にやってくることはありません。必ず救急隊員から電話連絡の上やってくるわけですが、眼球出血、視力は不変、高血圧はあるものの全身状態は良好。となると大体想像がつきます。救急隊としても出動してしまった以上、医療機関に運ばないわけにはいかないのでしょうか。
他に受けてくれる病院が無いといわれると、やはり診察しないわけにはいかず、お受けしましたが、隊員の方も診察が終わるまで待たなくてはなりませんし、今回は川西市からの援助要請を受け宝塚市の救急隊が、宮の前眼科のある伊丹市に搬送という麗しい連携プレイではありますが、もっと重症の方のためにある救急車をあまり気楽に使うのは、医師としては釈然としない思いです。
ご本人に診察で心配いらないという説明をすると、おトイレにダッシュし、救急隊がいなくなっていると、
「帰りも送ってほしかったわ」とのご感想。超過勤務で対応してくれた当院のスタッフの顔も曇っているように感じたのは、私だけでしょうか?