今回からは白内障の治療についてのお話ですが、色々と治療に関して書きたいことが多いので、何回かに分けて詳しく述べたいと思います。
まず治療法には大きく二つあります。すなわち保存的治療と外科的治療です。保存的というのは具体的には点眼薬による方法です。実際、白内障点眼薬と呼ばれている目薬には数種類あります。しかしこれらは治療薬と呼べるほどの効果はありません。つまり白内障になって混濁してしまった水晶体を透明に戻すまでの効果は残念ながらなく、進行を若干抑える程度の効果と考えられています。海外には日本未認可の点眼薬でこれら以上の効果があるように言われている点眼薬もあるようですが、日本では認可されておらず効果は不明です。海外でも白内障が点眼で治るという話はあまり聞きませんし、実際には点眼で治せる時代はきっとまだまだ先のことでしょう。
そこでもう一つの治療法が外科的治療になります。つまり白内障手術、オペによる治療です。白内障手術は昔は大きく切開したり、濁った水晶体を取ってしまうだけの手術でした。しかし近年は濁りを取ってさらに「眼内レンズ」という人工の水晶体を目の中に移植することが可能になりました。
次回からは手術の実際の詳しいところ、みなさんが気になるところを詳しく解説したいと思います。