先日1年ぶりに来院された患者さんに「白内障の手術を受けた友達がこの頃周りに増えてきたんだけど、どんな症状が出るんですか?自分は視力はバッチリだし、全然前と変わっていないんだけど、後学のために教えてください。」と尋ねられました。
その方は、矯正視力0.7ぐらいで、1年前は0.9 10年前は裸眼で1.2がでていたのですから、大分さがっているわけですが、ご本人はバッチリと言われるのですから、自分の見え方は白内障がかかっているとは、思っていないようです。
白内障というぐらいだから、周りが白く見えると思われていたようでしたが、白いのは、患者さんの見え方というより、昔は手術を受けるのが、今より相当進んだ状態だったので、外から肉眼で見ても水晶体が白濁しているのが、瞳のところから見えている、まさに水晶が、真珠状態になっていることを指していたわけです。
ですから、ご本人がせっかくバッチリと言われているのに、水を差すようで申し訳ないのですが、今の見え方が既に白内障状態で、車のライトが眩しいとか、景色がぼやける、お月さまがダブって見える、よく考えたら若いときより、確実に見えていないというのが白内障の見えかたですと説明しました。
お話しているうちに、たしかにここのところ、見え方が悪いのはわかっていたけど、色々言われると気が重いので、来るのを一日延ばしにしていたとのことでした。
その方は、昔からの患者さんですので、そろそろ諦めたら?と励ましましたが、「やっぱり怖いから、今日のところは、カリユニ(白内障のお薬)だけもらって、また近いうちにくるわ」と言って帰られました。
その気持もわかりますし、こういうことを繰り返して、やっと決心がつくのが普通ではありますが、私のつとめは、あまり先延ばしにして、手術が難しくなる前に決断できるように、何回でも繰り返し説明をすることなんだなと思いました。
前回の野宗先生のブログにも書かれていましたように、ある程度の年齢になれば、白内障になるのは避けて通れないことですから、もし視力が下がったら私自身はあまりクヨクヨせずに、人生のいつかは受ける手術として予定に組み込んでおこうと今から楽しみにしています。