今年の宮の前眼科は、職員の出入りの多い年でした。
残るべき人が残り、出て行くべき人が出て行ったというのが、今の私の実感です。
子供が木のお絵かきをするときの典型的な形というのは、どなたも想像できると思いますが、実は地上の樹木以上に、根っこというのはとても個性的で、二つと同じ形は無いそうです。
置かれた土地の風土や土壌、障害物に適応しながら、重い木を支えるために必要な栄養分を取り続けるために、岩や固い土壌を迂回しながら道をみつけないといけないからです。
根っこは木を生き続けさせるために、年中休むことなく働き続け、中には一日で400リットルも水分を吸い上げ、空中に放散させる木もあるそうです。
移動できない木でもそうやって環境に適応していき、成長をめざし、その木にとって好都合な地ではもちろん、不向きな地でも絶え間なく根っこを張り巡らせることにより、時に立派に茂ることが可能なのでしょう。
私たち人間は植物ではないので自由に移動していくことが可能ですが、自分という木を精一杯成長させるためには、置かれた地で深く根をはって、多少の逆境に負けない強さを身につける必要があると思います。
そしてその強さと、自省する謙虚さがあれば、どんな環境にも負けずに生き抜ける味のある老木になれると信じています。
動けない植物のもつ強い根っこを持った上で、動物としての動ける叡智を持ち合わせれば、ミッションに誤りがなければ、世の役に立つ人になれるでしょう。
そういう有能な専門集団になれるスタッフと、新しい宮の前眼科を作っていきたいと思います。