
最近所得税減税についてや、社会保険料について政治の世界では活発に議論されています。
信じられないほどの高額な医薬品の保険適応については、あまりに現実離れした数字ですし、少数の人であってもその薬によって命がつながる可能性がある人にとっては、なくてはならない薬品だとしたら、第三者が簡単に切り捨てることはできない というのも正論かもしれません。
今日はもっと身近な、そして眼科の中でも具体的にわかりやすいお薬の話です。
ドライアイの治療薬で、ヒアレイン点眼というのがあります。
現在のところ0.1% 0.3%の濃度のボトル入りの薬は両者ともに保険適応のある点眼薬です。
先発の参天製薬の他に、後発品が多数あります。
その薬価は、ヒアレイン0.1% 245円 0.3% 353円 保険割合負担は、1割~3割ですが、それぞれの割合負担によって、その薬価に割合をかけた金額が患者さんの負担金です。
上記は先発品で、後発品の場合は、メーカーによって多少の金額の差はありますが、0.1%は94円~188円 0.3% 114円~213円 とかなり安価です。
一方市販薬のヒアレインSは、0.1%のみの発売ですが、処方薬のヒアレイン0.1と同成分で、参天製薬が発売しており、2本入りで1580円 1本の場合は880円で、ドラッグストアでも、アマゾン等でも買うことができます。
1本5mlという点も同じです。
正直ヒアレイン点眼だけを希望する場合は、そういうところで買っても全く同じものを診察を受けずに手に入れることができるので、値段だけを見たら高価であっても、診察料や待たされる時間等を考えると、割に合う と思う人がいても不思議はないと考えます。
湿布薬等も同様なのでしょうか。あまり使用することも無いので、わかりませんが、こうなったら保険適応を外してもいいのではないか というのももっともです。
有効でない場合があっても、有害にならない という前提です。たまに0.1ヒアレインアレルギーの患者さんもいますが、どんな薬にもアレルギー症状が出ることがあります。
眼科の診療の中では、ヒアレインより、より有効な薬が開発されており、処方薬の主体は移行していきます。
ただもっと軽い薬であるマイティア点眼などもまだ処方薬としてとどまっていますから、処方医としては、バリエーションがある方が助かりますが、もし保険適応が外れると、ヒアレインやマイティアが必要であれば、自分でドラッグストアに買いに行ってもらう ということに、なります。
処方薬は自己負担分以外は、私達の税金で賄っているのですから、そこにまわすお金がないというなら、仕方がないということになるのです。